フリーランスとセルフマネジメントby アキユキ

フリーランスのお役立ちブログ+モチベーションを高く維持するためのセルフマネジメント術

口コミマーケティングと「社会的に選ばれること」の重要性

人は何かを決断するときにその決断に至るに十分な理由付けをします。「AではなくBである」と決断する場合には、別にじゃんけんで決めるわけでもあっちむいてホイで決めるわけでもなく、何かしらの情報をもとにAであると、決めるわけであり、それが決断の理由です。

しかし人は時として「そんな曖昧な情報で判断してよいのか」というぐらいに曖昧な情報をもとに重大な決断をしてしまうものです。それの最たるものが口コミではないかと僕は考えています。

口コミほど人々が踊らされてしまう情報源はないでしょう。「あの人がこういっていた」「皆の評価がいいらしい」など口コミが人に与える影響は大きいですよね。口コミの詐欺的な利用は悪ですが、本当に良いものであればこの口コミを活かさない手はありません。

口コミマーケティングという言葉はもう随分昔からあるのではないかと思いますが、SNSが発展していく中でさらにその重要性は顕著になってきました。

現代のマーケティングにおいて、企業が一方的に発信する情報よりも口コミを通してユーザーに訴えかける方が圧倒的に信頼度が高いということが、広告代理店等の施策をみていてもわかる気がします。

この記事では、人はものごとをどのようにして判断をしているのか、そして人の判断に大きな影響を与える口コミと「社会的に選ばれること」の大切さについて、マーケティングの観点から話を進めていきます。

企業を通して世の中にでる情報は加工されている

人は何かを決断するときに、何かしらの情報を元に決断をします。つまり、すべての決断には決断のもととなる情報があります。

人はその情報を自分で探すか、あるいは人から聞くかして得ることになります。人が日頃接している“企業が発信している情報”は、多くの場合マーケターかあるいはそれに該当するマーケティング担当者が介在しており、情報を最適に加工しています。

加工というと悪いように聞こえますが捏造ではなく加工です。ユーザー視点で必要な情報と不要な情報に強弱をつけて打ち出すような意味合いの商品訴求だと考えていただければと思います。値段が安いものは安さを全面に出して品質は打ち出さないのと同じです。

とりわけ影響力の高い口コミと加工できなくなった情報

多くの人はマーケターによって最適化された情報を得て決断をしていることが常でしたが、近年はSNSの普及やWebインフラの向上もあり、マスメディアや企業のホームページ以外からでも情報を得られるようになりました。それによって、ユーザーの情報源は多岐に渡るようになり、マーケティングもより複雑になってきたのではないでしょうか。

そして、現代マーケティングでは、口コミによる他社からの信頼がユーザーの決断要素の1つとして大きな影響力を持つようになりました。

つまりユーザーが決断に用いる情報そのものが変わってきていて、マスメディア以外のあらゆるところから情報を取得できるようになったこと、とりわけ口コミという他者からの信頼は影響力が大きいということです。企業は自社の情報をどう発信するかだけではなく、ユーザーにどう発信してもらうかを考えなくてはならくなりました

今まで操作可能だった情報が加工できなくなったわけですね。

ユーザーとどこで接点をもつか

ユーザーが何かを決断する過程で入手しうる情報量には限りがあります。例えば掃除機を買おうと思ったユーザーがいくつかの手段でリサーチをして手にすることができた掃除機の種類は10〜15ぐらいではないでしょうか(世の中にはおそらく何百という掃除機がある)。そこから購入候補になるのが3つぐらいでしょうか。リサーチ段階でそもそも見つけてもらえず土俵にあがれなかった掃除機は数多くあります。

しかしこれは仕方がないことです。

先述した通り、ユーザーは様々なところから情報を得るようになりました。テレビ、新聞、ラジオ、店頭、路上、ホームページ、YouTube、ニュースアプリ、SNS、メルマガ、ポッドキャスト、人づての口コミ…etc.。

これらのユーザーと情報とのタッチポイント(接点)すべてにおいて、施策を打つことはもちろん不可能です。

ただできる限りのタッチポイントを洗い出す必要はあります。そして、自社にとって一番強化すべきタッチポイントを見つけることがまず大切です。

そしてどこで口コミが生まれるのか、生み出せるのかを考えることも大切です。

さて、ではユーザーは様々なタッチポイントにおいて、自分の意思で決断をして商品を購入しているのでしょうか。

「当たり前だ、自分の意思で決断をしている」と言われそうですが、実はアメリカの行動経済学者ダン・アリエリーの話によるとそうでもないようです。

ユーザーは本当に自分で決断しているのか

ダン・アリエリーの話によると、臓器提供に関する2種類のアンケートがあったようです。

アンケート1は、「臓器提供プログラムに参加してもよい場合はチェックをしてください」となっており、アンケート2は、「臓器提供プログラムに参加しない場合はチェックをしてください」という内容です。アンケート1ではチェックをしなければ参加しないことを選択したことになり、アンケート2ではチェックをしなければ参加することを選択したことになります。

結果は、アンケート1では参加をすると意思表示した人は少数で、アンケート2では、参加すると意思表示(チェックをしない)した人は多数になったようです。

同じことを問いかけていますが、問いかけ方によってアンケート結果に大きな差が出ています。

アンケート以外にもこういった例はたくさんあります。同じ飲食店でもメニュー構成を松竹梅の3コースを設定し、それぞれの値段設定を変えるだけでも売上が変わるような話や、値段の表示の仕方1つで売れ行きも変わるという話も聞いたことがあるかもしれません。

この話を聞くと確かに人は自分で決断していると思っていても、周りの情報の提示方法にかなり左右されているのではないかと思えます。

僕らのようなマーケターや制作者は人を騙したりするためにこのテクニックは使ってはなりませんが、価値に気づいてもらうための施策として、認知のされ方を見直す必要はあるでしょう。

なぜこのような話をしたかというと、人は自分で決断をするということが難しいことを理解した上で、口コミ情報は果たしてユーザーにどんな影響を与えているのかを考えてみていただきたいと思ったからです。

様々な情報が口コミによって得られるようになった現代において、僕らは個人的に決断しているように思えることの多くが、実は社会的な決断なのではないかということです。

口コミマーケティングと社会的決断

口コミから商品を選ぶといった行為が普通になった今、個人的決断と社会的決断が近くなってきているようです。

個人的決断が社会的決断に近くなるということは言い換えると、社会が選んだものを個人が選ぶということです。

口コミマーケティングをする上では、このことについてよく理解しておかなければならないように思います。個人的決断と思っていることが実は社会的な決断になっているという点が、口コミマーケティングの施策を考える上で重要なポイントなのだと思います。

口コミで多くの人が☆5をつけた商品と平均☆3の商品とでは前者が選ばれます。企業がマスメディアで大体的に告知をした商品よりも友人から勧めてもらった商品の方が魅力的に感じます。(大小ありますが)社会が選んだ決断を個人的決断とするのが現代の流れが続いています。

また企業もそのことをよく分かっているので、できるだけユーザー同士の良いコミュニケーションが伝染・拡大していくように狙っています。

社会的に選ばれるかどうか、社会的に選ばれていることを認知してもらえるかどうか、これらのことが現代の口コミマーケティングにおいて特に重要視していかなければならないのでしょう。



プロフィール

田中亮行
アキユキ

フリーランスWebデザイナー・エンジニア歴6年。主に企業のホームページの企画・デザイン・開発をしています。

ここでは自分の経験から感じたフリーランスにとって役立つ情報を発信しています。また、「やりたいことをやれる自分になりたい」そのために必要な“セルフマネジメント”についても執筆しています。フリーランスとしての生き方にも関係してくることが多いので参考にしてもらえたら嬉しすです(´ε` )

おすすめ書籍紹介