戦わずして勝つということ

「ワニに襲われているときに、沼の水を抜くという本来の目的を思い出すのは難しい」という格言がある。確かに難しいが、これこそが起業家に必要とされていることなのである。

私が以前、浅はかにも買収してしまった企業の指揮を執っていたときのことだ。まったく問題だらけ、赤字だらけ、ぐちゃぐちゃで危機だらけの会社だった。ワニ、つまり目の前の問題との格闘はあったが、それでも私は毎日少なくとも1時間は本来の目的に焦点を再び合わせ、目標に向かって前向きで生産的なことをするための時間を割くようにしたものだ。その時間だけは、ワニとの格闘をやめたのだ。

出典:億万長者の不況に強いビジネス戦略 ダン・S・ケネディ著

今読んでいる本にこんなことが書いてありました。たしかに目の前に厄介な問題があると、視野が狭くなり目先にある解決方法しかみえなくなるものです。全体を俯瞰してみれば、根本的な解決方法があるのにもかかわらず、そこには目がいかないということですね。

毎日でも2日に1回でも、自分が今取り組んでいることが、自分の人生を前進させる手段としてもっとも効率的なものであるかみてみると、いろんなことに気づくかもしれません。

目の前に課題があるとどうしてもそれを直接的に解決しようとしてしまいますが、裏からちょっと手を回せばすんなり解決することも少なくありません。あるいは全体を俯瞰してみると実は解決する必要がなかったり、優先順位が低かったりすることもあります。

いずれにせよ、目の前にワニが現れるなど、その場の決断が大きく自分の人生を左右するような大事においては、冷静にものを見ることができず、本質的なことを見失いがちです。

これは意識の問題で、ワニが出てきたからワニと戦わなければいけないと考えていることに間違いがあります。

一番問題なのは、そういったことを意識せずに、常に真正面からたちむかうことに義務感や正義感、はたまたやりがいを感じていることかもしれません。

ワニが出てきたら一番いいのはワニと戦わずして勝つことです。

戦わずして勝つというのは、間接的にワニを倒すかあるいは、ワニそのものを遠くへおいやったりすることです。

真面目に真っ向勝負する必要はありませんし、自分の人生を前進させるためにもっとも効率の良い方法を考えましょう。

それから、そもそも基本的には自分の勝てるフィールドでまずは勝ち星を積みあげることが一番最優先と考えています。ワニがいるとわかっていたらそこにはいかないこと。ワニがいないところで勝とうとすることが大前提。

ワニがいないところに自陣を構えたら、そこで勝つためには何でもやるつもりでやります。ここで負けるわけにはいきません。

どこでもいいので一つ実績をあげていれば、他のことをやるときに他人の力を借りやすくなり、活動の幅を広げることができます。

ちなみに自分の勝てるフィールドというのは、技術で勝てるところではありません。自分をよく分析して多角的に考えてみてください。

体力勝負が得意なら、体力勝負がものをいうところをフィールドに選べば、技術で一番になる必要はないかもしれません。コミュニケーションが得意なら、コミュニケーション能力が活かせる分野で勝っていけばいいと思います。

まずは自分をよく知ること、そして、世の中のどの分野でどんな人が勝っているかを知ることです。

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