セルマネジメントのあれこれ

手軽にできる呼吸法で心を整える

心を整えることは、自分の最高パフォーマンスを発揮できる最高のコンディションを整えることでもあります。どこでも手軽にできる呼吸法で常に最高のコンディションを維持しましょう。

1.おすすめする呼吸法について

ストレスは少しずつ溜まるとなかなか自分では気付かないこともありますが、他から見るとなんか疲労しているように見えたり、意外とわかってしまうものです。日々誰と会うかわかりません、どんな新しい出会いがあるかもわかりません。いざというときに、疲れている顔をみられたりするとそれだけで印象は悪くなったりしますから、いつも自分のコンディションは整えておかなければなりません。

ですから、ストレスは少しずつコンスタントに吐き出していくことが大切です。よく暴飲暴食やタバコでストレスを解消したりする人もいます。気持ちはわかりますが、気付かないところで体が悲鳴をあげ、その蓄積がいつか表に出てきます。

やはりベストは人間にとってもっとも自然な方法でストレスを解消する方法です。今回おすすめするのは、手軽かつ自然とストレスを解消できる“心を整える呼吸法”です。この方法はストレスを発散するだけでなく、様々な場面で、自分自身の力を発揮し、良い結果を残していくための体の調整でもあります。

人は生きていれば、様々な感情が生じるのは自然なことです。心を整えるということは、それらの感情をなくしていくということではありません。様々な感情が沸き起こっても、それに振り回されすぎない心を作ること、心穏やかに、リラックスした状態を、短い時間でも意識的に作ることがポイントです。

2.心と体はつながっている

昔から、“病は気から”、“健全なる精神は健全なる身体に宿る”といった言葉がありますね。目には見えませんが、私たちの“心”と“体”は、リンクしていて、互いに影響しあっています。

風邪を引いて寝込んでいると、妙に寂しくなったり、心細くなってしまうことはありませんか?強いストレスを感じたり、疲れがつよいと、様々な身体の不調も起きてしまった、なんてことはありませんか?体が弱ると心も弱り、心が弱ると体も弱るのです。心を整えるためには、直接目に見えない心をコントロールしようとするより、感覚として感じやすく、コントロールしやすい体の方から整えていく方法がやりやすくお勧めです。イチロー選手もメンタルが弱くなったときの対処法として、“体をいつもと同じように動かす”と、体の方から整えていく方法を挙げています。

さて、イチロー選手の方法とは違いますが、体から整えていく方法に、“リラクセーション法”があります。様々な種類のリラクセーション法がありますが、中でも、手軽にできて日常生活にも取り入れやすい“呼吸法”をご紹介します。

3.架け橋としての呼吸

心を整えるための“呼吸法”のポイントは、①姿勢、②呼吸、③心、の3ステップです。

ステップ1 – 姿勢

まず、①姿勢は、体を整える第一段階です。私たち日本人は、猫背が多いと言われています。多くの人が、パソコンでの作業や携帯電話、スマートフォンを操作する時間が長く、前かがみの姿勢になりがちです。肩が内側に入り、背中が丸まり、やや頭が前に出て、何か重い荷物を背負ったような姿勢になっていることが多くなります。

このような姿勢で過ごしていると、肩や首の血行が悪くなり、凝りを招きます。体が固まると、心も固まってしまいますから、まずは姿勢を整えてみることが重要です。

背骨をまっすぐ伸ばすイメージで座り、胸を少し張ってみましょう。軽く顎を引きます。身長を測るときを思い出してください。頭頂からひもが出ていて、それを上から引っ張られているような感覚をイメージしていきます。横から見たときに、肩先と耳が垂直に並び、しっかりと骨盤の上に頭の重みが乗っている状態が、正しい姿勢です。

※座る際は、椅子に座っても良いですし、床であぐらや正座、足を伸ばした長座などでおこないます。ただし、体の柔軟性などの問題で、骨盤が後ろに倒れてしまう座り方にはならないよう、気を付けましょう。骨盤をまっすぐ立っていることが優先です。

ステップ2 – 呼吸

次は、②呼吸です。「息」という漢字は、「自らの心」と書きますね。人は緊張しているとき、恐怖や不安を感じているときは、浅い呼吸、リラックスして、ゆったりとしているときは、深い呼吸になっています。普段はあまり呼吸に目を向けることはないと思いますが、呼吸こそ、心と体をつなぐ橋のような役割を担っています。

呼吸は生きるために自然と繰り返されていますが、汗や脈拍と違いって、意識的なコントロールが可能です。リラックスを深めるには、お腹をゆったりと動かす“腹式呼吸”が効果的です。

お腹の動きを感じやすくするために、おへその下のあたりに手を置いていただいても構いません。内臓を呼吸を使って内側からマッサージするように、お腹の上の方だけでなく下の方までも動かし、いつもよりも深く呼吸をします。

吸う息で、風船のようにお腹を膨らませ、吐く息では、風船がしぼむようにお腹が自然にへこんでいきます。
吸う息は鼻から、吐く息は鼻、あるいは口から吐いていきます。
吸う息、吐く息、一定の量で、徐々に細く長くしてみましょう。
吸う息で新鮮なエネルギーを取り込み、吐く息で、余計な力や疲れが抜けていく…そんなイメージで。

5分ほど腹式呼吸を続けてみましょう。

ステップ3 – 心

5分間、腹式呼吸をしてみて、いかがでしたか?
皆さんの体と心には、何か変化はあったでしょうか?腹式呼吸は、自律神経の“副交感神経”を優位にする呼吸です。副交感神経が優位な時、体の変化として心拍数、血圧、血糖値が下がり、セロトニンというホルモンの分泌が促されます。

セロトニンは、爽快感をもたらし、不安や痛みを軽減する効果がありますが、不足すると、イライラしやすくなったり、頭痛が出やすくなったり、うつ病になってしまうと言われています。心の状態にも影響するわけですね。意識的に、日常生活に腹式呼吸を取り入れていくと、自然と心が整いやすくなっていきます。

4.“整えよう”よりも、“整っていた”

手軽にできるリラクセーション法のひとつとして、“呼吸法”をご紹介しました。3ステップ、とお伝えしましたが、実際に行動として行うのは2ステップですね。不思議なもので、“心を整えよう”、“心を鎮めなきゃ”といった意気込みが出てくると、むしろ落ち着かなくなったり、整いづらくなるものです。①姿勢と、②呼吸に集中して取り組むことが大切です。

就寝前、仰向けの状態で行うときは、②呼吸に集中するだけでもOKです。体が温まりやすくなるので、寒い季節、冷えて寝付けない時にも効果的です。

少しずつできるようになってくると、前よりもイライラしづらくなっていたり、心穏やかに過ごせる時間が増えていたりと、じわじわと変化が現れます。体の余計な力を抜き、あれこれ考えない時間をもつことは、心の筋トレのようなものです。

何かとストレスの溜まりやすい社会ですが、日々自分の最高パフォーマンスを発揮するためには、常に最高のコンディションを整えておく必要があります。

溜まったストレスを暴飲暴食など自然と相反する方法で解消しようとすることは、焼肉屋でついた臭いを香水でカバーするようなもので、根本的な解決とはなりません。(…例えが下手くそですが^^;)

しっかり身につけて習慣化してしまいましょう。

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