沢木CEO

2014年5月8日 vol.10

沢木恵太
(Keita Sawaki)

1985年生まれ 28歳

株式会社おかん 代表取締役CEO。
人々の生活の根幹となる部分でインフラを作りたいと考えていたCEOの沢木さん。ご自身の経験の中で感じていた現代社会の食における課題、ふとした出会いから一気に解決策を見出し、その瞬間からプロジェクトを動かし始め、止まることなく会社設立、サービスローンチまで辿り着いた。

妻も子供もいます。独身の方が起業するよりハードルは少し高いですが、大きな問題はないんですよ。

インタビュー・沢木CEO紹介
株式会社おかんが運営する、1ヶ月冷蔵保存できる無添加お惣菜の定期仕送りサービス“おかん”
>> http://okan.jp

その場でビジネスプランを話して、
そこからとんとんと話が進んで設立までいきました

–  サービスネームが非常にユニークですね。サービス内容を簡単に教えて下さい。

株式会社おかんロゴ

惣菜定期仕送りサービス“おかん”のロゴ

設立から1年ちょっとのスタートアップ企業なのですが、設立後最初にやっていたのが、個人向けのサービスです。
添加物を使わずに一ヶ月冷蔵保存できる食材を定期的に仕送りしますよ、という定期販売サービスです。
メインユーザーは主婦だったり、供働きの家庭ですね。
あとは仕送りという形で離れた家族に送られる方もいらっしゃいます。
それを一年ちょっと運営しており、2014年3月末に法人向けサービスとしてオフィスおかんを始めました。

–  もともと起業思考だったのですか?それともサービスを思いついたから起業されたのですか?

もともと自分で事業をやるという選択肢は考えていました。
人々の生活の根幹となる部分にアプローチをし、インフラを作りたいと学生の頃から思っていたんです。

–  そうなんですね。

インタビュー・沢木CEO紹介

そんな中で、一昨年たまたま福井に行った時に、昔の友人と会ったんですが、
実はその友人が地元で人気のある惣菜店の婿養子に入っていたんです。
地元で10数店舗展開している会社だったんですが、彼と飲んでいる時に、「うちにこういう技術がある」と紹介されたのが、“添加物使わずに一ヶ月保存できる技術”だったんです。
対外的に打ち出している技術ではなく、地元だけに人気があったんですね。
それを聞いたときに、この技術を使えば現在ある食の課題を解決できるんじゃないかと思いました。

–  なるほど、沢木さんが仰る食の課題とは何でしょうか?

自分の原体験として、大きく3つあります。
1つ目は、
・新卒での労働時間が400h/月とかだったのですが、さすがにそんなに忙しいと、
目の前にあるものだけを食べて過ごすことになりますし、身体にもよくありません。
でも忙しいと目の前に食事がないと解決できません。

2つ目は、
・私には子供が2人いますが、妻がつわりの時なんかは食事の用意とかも辛そうでした。
核家族ってこういうときに助けてくれる人がいないんですよね。

そして3つ目、
・私の両親がある程度高齢で病気がちなんです。なかなか外に出て材料を買って料理するっていう
とこまでできない。やっぱり心配ですよね。

これらのことを解決できるのが、添加物を使わず、保存がきいて、使い勝手がよい
というものでした。

–  ご自身の体験と技術との出会いによって生まれたビジネスプランなんですね!

そうですね、もともと衣食住のどれかで事業をやりたいなと思っていましたし、
自分の原体験とマッチしていたので、もうその場でビジネスプランを話して、そっからとんとんと話が進んで設立までいきました。

–  その場でビジネスプランの話し合いが始まったんですね。とんとん拍子で設立まで行くあたり、行動が早いですね。

3ヶ月から半年ぐらいで設立だったかと思いますよ。
サービスリリースはその後3ヶ月後ですね。

–  スピーディーだと思いますが、考えがブレることもなかったのでしょうか?

なかったですね。
やろうとしていることが見えていたので時間をかける必要もなかったんですよ。

おかんの食事例

手軽に美味しくて健康的な食事がとれてしまう

妻も子供もいます。独身の方が起業するより
ハードルは少し高いですが、大きな問題はないんですよ。

–  ぶれず、スピーディーに、といった意味では、ご自身の軸がしっかりした状態で進められていたと思うのですが、それはビジネスとしていけるという確信があったからですか?それともとにかく想いで進めてきたのですか?

半々ですよ。
福井での技術との出会いもありましたが、もともとこのサービスは
先ほどの3つの原体験が大きく関わっていますから。
ニーズは自分自身が実感していること、かつ、
自分自身が特殊な状況におかれている人間でもなかった、
つまり、自分のみならず世の中のニーズとしてもこれはあるなと、思っていました。
また、ビジネスとしての確信については、
ビジネスモデル的に非常にミニマムな形から始めるというリスクの少ない形でやっていきました。

– と言いますと?

最初に始めた定期販売サービスでは、先にキャッシュが入ってくる仕組みですし、
さらに製造側から直接送るので、在庫管理コストもそんなにかからないので大損をすることはありません。
ということは、とりあえず始めても問題は無いんですよ!
法人向けサービス(オフィスおかん)を始める時も、
ミニマムにトライアルをしていくやり方をしていて、
去年の12月にはティザーサイト(プロモーション用のサイト)を出しています。
ベータ版リリースの時点では凄く利用者が集まってきました。
リリース前にも関わらず日経さんが、新聞に出して頂いたりとかもありましたし。
そういうことをやってからサービスローンチしているので、
まずはニーズを実際に確かめたり、トライアルしていますので大失敗はしないというか。

オフィスおかん試食会

“オフィスおかん”の試食会の様子、ローンチ前に実際のニーズをしっかり確かめていく

–  やり方としてはかなり堅実ですね。一歩一歩確かめながらやっていくということですね。

もちろんスピード感はしっかり維持しながらですが。

–  起業について深く知る前は、起業家は華やかに見えたりすることもあると思うんです。
でも実際はかなり泥臭いことが多いと思いますが、そんな中で起業に対してネガティブになったことはありますか?

私は、妻がいて子供も二人おり、共働きでもありません。
そういう意味では独身の方がスタートアップするよりは何かとハードルが高いと思うんですよ。
月々に出て行くコストが大きかったりしますし、それをペイするためにはどうしようとかっていう悩みはありましたね。

–  自分以外の生活も維持していかなければならない状況、大変だと思いますが、
それでもやり抜いてきたモチベーションは、やはり先ほどのビジネスモデルへの確信と3つの原体験に基づく想いですか?

インタビュー風景

そうですね。
それもありますが、あと失敗しても何とでもなる、っていう気持ちですね。

–  それは、先ほど仰っていた通り、リスクのあるやり方はしていない、ということですね?

そうですね、大きく借金抱えない限りは問題ないですよ。
あと、自分自身はキャリア的に多くの経験は積んでいるので、失敗しても他で拾ってくれるだろうという・・・まぁもしかしたら考えが軽いのかもしれないですが、そういうのもありますね。
なのでまずは、スピーディーにやっていく方がいいのかなって感じです。

特別なものはないですよ。
やったから今があるっていうシンプルなものです。

–  起業されて、ここまでサービスもやってこられた中で、これがあったからここまでできた、というものはありますか?

特別なものはないですよ。
本当に起業したいと言った後に、実際にするのか、あるいはしないのか、っていうことなだけのはずで、、やったから今があるっていうシンプルなものです。
周りの方々の助けは非常に大きいですけどね。
弊社サービスをいろんな方に紹介頂けるっていうのもそうですし、
先輩経営者が、私があまり経験してこなかった部分、例えば資本とかファイナンスとかだったり、を教えて頂ける環境はなきゃだめだったなとは思います。

–  先輩経営者の方々とは元々繋がりがあったのですか?

もともとの繋がりもありましたし、社長が集うような会に誘われることが多くなったこともありますね。

–  ただ行くだけではどうにもならなくて、何かアプローチも必要だと思いますが
ご自身からアプローチされたりしていたのですか?

何か特別なことをやっているわけではないですが、
自分がやってることはポジティブに発信しますし、
なおかつ事業内容が最近のIT系スタートアップとは違うじゃないですか?
ネーミングとかもそうですし。
そういう意味では皆さん面白がってくれるし、耳に残るので
比較的繋がって頂きやすいかもしれないですね。

インタビュー風景

–  実際に起業されてから分かった価値観や気付いたことなどありますか?

価値観ですか?
ん〜・・・

–  特に変わりないですか?

そうですね、価値観が変わるとかそういったことは、、えぇ。

–  まぁあまり起業の前後でどうこう変わるっていうのもないということですか?

そうですね、私の思考性的に。
起業したから思考が変わったとかはそんなにないので。

–  見えてくる世界などはどうでしょう?変わりありませんか?

視点とか視座は変わるようになったと思いますよね。
会社員時代に、事業の立上げとか事業責任者とかをやっていましたが、会社のトップではないですし、ファイナンスとか資金繰りとかダイレクトに感じる部分でナーバスな部分でもありますし、新たに気付いたことも多かったですよね。

会社やってようがやってなかろうが、常に課題とかハードルがあって
それによって自分が成長する、
それはサラリーマンだろうが起業してようが一緒だと思っています

–  今後ですが、ご自身がやられていることを維持、さらにレベルアップするために、
日々習慣として心がけていることはありますか?

ビジョンを最重視していますね。
ビジョンというのは企業としてのビジョン、私個人のビジョン、チームメンバーとしてのビジョンですね。
あくまでも企業も事業も手段じゃないですか?
何かの目的を達成するためにやっていることだと思います。

–  えぇ

インタビュー

じゃ僕らは何のためにやっているのかっていう、大きな意味でのビジョンだったり狭い意味でどういうこと実現しようとしているのっていうことは常日頃から意識していますし、メンバーにも言っています。
会社としても中期経営計画という形でビジョンがあります。
そういうビジョンをブレイクダウンして今何をやるべきかっていうのを全て落とし込んでいます。まず先にビジョンがあるんです。
また、メンバーのビジョンもあると思うんです。少なくともメンバーにもそのビジョンをしっかり持っていて欲しいと思っていて、
そのビジョンに対してこの会社と一緒にやることで少しでも各々のビジョンに近づける環境がないと意味がないと思いますので、常にビジョンを意識していますし、すり合せをしています。

–  ビジョンに基づいて全てを判断されるわけですね。それではビジョンのうちの一つを教えて頂けませんか?

会社のビジョンとして大きいところでいうと
新しいスタンダードをつくるというのが一番大きなところにありますね。
それを少しブレイクダウンすると、まず賞味期限があるような食品を最適化することによって
皆さんの手元にいつ何時でもいいものが手に入るような状況をつくることが手段です。
そして、それを通して忙しい会社員や産前産後の方とかが、
最適で理想的な食事をとるための色んなハードルを超えて、
今までとは違い、どんな環境でもいいものが食べられるんだよ、というのが我々のミッションです。
それを実現するための事業ですし、そのためのインフラを作り、
それを実現することによってできるのが先に言った新しいスタンダードだと思っています。

–  経営者として生きて行く上で、何か捨てなければならなかったものはありますか?

マインド的にはそんなに捨てたものはないですね。
もともと起業することに対するハードルってそんなに大きくないと思ってるんですよ。
ということは、起業する前と後でギャップ自体そんなにないんですよね。

–  これまでで、これは乗り越えるの難しいなとか、壁はありましたか?

もちろん会社経営ですので、資金繰りとかっていうのは難しい時もありますが。
ただそういうのは会社経営しているいないに関わらず、自分自身の家計だったりで、ある人はあるんで。
会社経営における資金繰りとかでちょっとやばそうだなっていうのは何度かはありましたし、
そういう時にヒリヒリすることはありますけどね。

–  メンタル的な部分で言う、壁はありましたか?

まぁ今の話で、資金面とかでそういう状況になると「あぁ痛いな〜」とかいうことはありますけどね。
ただそれが特殊なことだと思っていないんですよね。

–  まぁそういうこともあるかな、という感じですね

えぇ、たぶん会社やってようがやってなかろうが、
常に課題とかハードルとかがあってそれを乗り越えることによって
求められているものをアウトプットしたりとか自分の成長があると思っているので
それはサラリーマンだろうが起業してようが一緒だと思っています。
ヒリヒリするポイントとかアウトプットしなければならないものが
サラリーマンの時とちょっと違っているだけ、ということだと思いますね。

–  起業とか経営に対してネガティブに捉えることはありましたか?なさそうですが。。

ないですね。

–  それは今後もそうですね?

えぇ、ないですね!

–  根っからのポジティブということでもないですか?

そうではないです。
どちらかというと石橋を叩いて渡るタイプなので。
楽天主義ではないですね。

トライ&エラーですね、そういうミスの場に
何回立ち会えるかとうところだと思いますので。

–  今後ビジョンに近づけて行くために、達成していかなければいけないことが
色々あると思うのですが、それに際して例えば、ここはまだ自分に足りていないなとか、
そういうのってありますか?

インタビュー風景

採用力ですね。
やっぱり大きなことを実現しようとしていますので、ビジョンに共感してかつパフォーマンス発揮できる仲間がすごく重要なんですが、まだまだそういう仲間を採用する力は弱いんじゃないかなと思うんですよ。
それは僕のビジョンを語る力が弱いのか、
僕の人間性が弱いのか、
組織的な部分で足りない部分があるのか、
あるいは単純にそういう人と知り合う機会が少ないのか分からないのですが、
総合的にそういう力が僕個人には足りていないなと感じています。

–  ビジョン達成に欠かせない重要なことですね、どうやって補われますか?

そうですね僕一人で解決するっていうよりはそういうことが得意な人達に助けてもらいながらですね。あとは、トライ&エラーだと思うのでそういうミスの場に何回立ち会えるかとうところなので、手数多くやっていこうかなと思っています。
これは採用だけの話ではないですけどね。

–  これから起こるかもしれない、そういうミスとか失敗も、今後の成長材料ということで、恐れず前向きに捉えていくわけですよね。

まぁ、スタートアップはミスしかないですからね。笑

–  本日はお忙しい中、お話ありがとうございました!

 
interview list


コンセプト
これからの時代、共感という言葉が人々をつなぐ一つのキーワードになると考えています。人として生き方や価値観に共感できる人たちと一緒にビジネスをしたい、そういう人たちのサービスを使いたいと思う人がより増えてくることでしょう。
当メディアでは、どんな人生観をもった人がどんな想いで、サービスを提供しているのか、そんな観点から取材をし、記事にまとめています。