変わりゆくグローバル社会で働く人々の活躍を支援する
ICONIC CO., LTD.
ベトナムでの人材紹介サービスや人事コンサルティングなど、変わりゆくグローバル社会で働く人々の活躍を支援する会社。
代表取締役社長の安倉 宏明さんに話を伺った。
ー 事業内容を教えてください。
事業内容は大きく別けて、「グローバル人材紹介事業」「組織人事コンサルティング事業」の2つです。
ベトナム・インドネシア・マレーシア・東京の4カ国6拠点で事業を展開しています。

もともとベトナムで立ち上げ、ベトナムに進出している日系企業や外資系企業に対して人材紹介をするところから事業がスタートしています。

ベトナムで働きたい日本人や現地のベトナム人を企業様に紹介する。それをマレーシアでもインドネシアでも同様のモデルで展開しています。

東京は少しモデルが異なります。

日本国内にあるけれど、海外進出をしたり、海外の子会社を管理したり、海外向けの技術指導をしたりする企業様に向けたサービスです。業種はITや製造、物流など様々ですね。

例えばこれからベトナムに進出する企業様の場合、優秀なベトナム人を探すお手伝いをICONICベトナムが現地でやる。そして、ベトナム法人の責任者としてマネジメントをする日本人が必要な場合、その日本人のご紹介はICONICの東京がやります。弊社の転職支援サービスにご登録の人材は、営業系の人もいれば国際会計がわかっている管理系の人もいたり、国際法に詳しい人もいたり、多様なグローバル人材がいます。
ー どのようにして紹介しているのですか?
求人をしている企業様に最適な人材を選んで、ご紹介しています。人事の方からするとスクリーニングされた人材のみ選考をすればよいので、かなり効率は良くなります。それが、人材紹介を使用するメリットですよね。それを日本国内だけでなく、ベトナム、インドネシア、マレーシアでも同じレベルで行っています。
ー 企業がどんな人材を求めているか知ることが大事ですね。
そうですね。
一方で、人材業界はまだテクノロジーの力で効率化できると言われています。
ただそう簡単なことではなく、テクノロジーで生産性をあげられる領域は論理的領域ですよね。論理的な作業だけで仕事のマッチングをすることはよいことではありません。論理的に仕分けした後に、気持ちや感情に寄り添わないといけませんから。お仕事のご提案は、その人の人生に大きく関わること。人がどう生きていくかは確かな答えがなく、論理だけで導けるものではありません。
ー そういった意味でテクノロジーの力でなく、御社のように日本のみならず海外も含めて間に人が入ってスクリーニングすることは有効なわけですね。会社としてどのようなミッションを持たれていますか?
ミッションはとして掲げているのは「こえるをうみだす」です。

“こえる”には2つの意味があり、国境や環境を越えていく意味の「越える」と、過去の自分や限界を超えるというような「超える」。そのどちらも生み出していきたいと考えています。
人間も社会もどうしても年を経るごとに保守的になっていきます。でもそれは、成長の機会を狭めてしまっているように思います。だから、私自身としては、新たなことにチャレンジすることや知らないことを知ろうとする姿勢を持ち続けていきたいと思っています。
社会も環境も人の考え方も速いスピードで変わっていく現代では、ますますボーダーをこえていく必要性は高まっています。そういった考えが事業コンセプトの根幹にありますし、そういう想いを持った人と一緒に働きたいと思っています。
ー なぜ最初にベトナムから始められたのですか?
大学のころから漠然と事業をやりたいと思っていたのですが、大学卒業直後にはまずベンチャー企業に3年間勤めました。
ちょうどその頃ライブドアショックがあったりして、なんとなく社会の閉塞感を感じていました。
昔イギリスに住んでいたこともあり、海外に意識は向いていました。さらに、起業志向を持っていて、若さもあったので、それらの要素を掛け合わせたときに、日本で事業をおこさなくてもいいかなと考えました。
ではどこでおこすかを考えたときに、安易ですが、これからマーケットが伸びるところでビジネスをおこせば事業も着実に伸びていくだろうという考えに至りました。

それで新興国でやろうと思い、旅行に行ったことがあり、活気を直に感じていたベトナムにまずは行ってみようと考えました。
ベトナムで事業をやることについて、色々調べたところで確かな答えは出ないと感じていましたし、当時何をやるかも決めていない状況だったので、まずは行ってみようと。
ー 人がやらないような世界に飛び出した感がありますが、どのような想いでしたか?
ベトナムでやっていくという人は当時あまりいなかったので、それは面白いと感じていました。
当時はまだ若かったですし、一人でベトナムに行ってそこで事業をやって、仮にお金がなくなって帰ってきても、その経験は糧になるかなと。
3年ぐらいやって戻ってきたとしても30歳ぐらいですし、何のリスクもないかなと思ったんですよね。
ー 実際にベトナムに行かれてどういう光景をみて今の事業をやろうと思われたのですか?
ある日、ベトナム人の知り合いが、「日本人にものを売りたいから日本人を採用したい。誰かいない?」と言ってきたんですよね。
それでイメージが湧きました。

ベトナムはこれから伸びていく国だけれど、まだまだ商品もインフラもお金も、社会の様々な構成要素が足りません。
そんな国がどうやったら成長していくのかと考えたとき、技術やナレッジがないとブーストしていかないと思いますが、その技術もナレッジも人が持っているものです。ベトナムはそういった面はまだまだ足りないと感じました。だからまずは、そういうものをすでに持っている人を日本から引っ張ってくることを考えました。

実は、もともと私は、鉄道会社をやりたいと思っていたんです。鉄道というのは社会のインフラじゃないですか。鉄道があるから安く効率よく人々は移動できる。それに鉄道会社というのは、ターミナルをつくってその周辺の宅地開発や都市開発をしていくという街づくりをやっている。すごく魅力的に感じていたんです。ベトナムでそういうことができないかなと思っていたんです。

今やっている人材紹介事業は、人がいい仕事に出会えて、それが生活の支えになるわけですから、インフラの一つであり、鉄道のモデルに近いなと思いスタートしました。
ー 会社のミッション「こえるをうみだす」ですが、経営者になる前からそのような考え方を持たれていたのですか?
言い方や視点は都度バージョンアップしていきますが、考え方のコアとなっている部分はこの10年でも変わりはないと思います。
「こえるをうみだす」という言葉にしたのは去年ですね。

人や組織、社会が、何かをこえていけるようなサービスをやっていこうということで、そうしました。電車のような、行けないところに行けるようにできるもの。そういうことに一番興味があります。

人の幸せというのは、何かがちょっとでもよくなっているときに感じるものだと思います。

大事なのは未来に希望を持てる心であって、それがあるときに精神的に豊かになると思っています。
例えば子供を見ているとすごい楽しいんですよ。昨日より今日背が伸びている、できなかったことができるようになる、こういうのはすごく嬉しいことです。

何かを良くしていくこと、何かをこえていくことというのは、人の根源的な欲求なんだと思います。
ー 人が夢を実現するために必要なことはなんだと思われますか?
エネルギーだと思います。
私は起業家として、論理的にビジネスモデルをつくることに特別長けているわけでもないと思います。でも、志は負けないと思っています。一人の力は組織の力にはかないません。やろうとする意思、志といったエネルギー量で組織を引っ張っていくことが大切だと思っています。

それから自分に対して素直に生きることは意識しています。すごくダサい意思決定をしたこともありますが、そんなときでも自分はダサい人間であることを隠さないようにしています。
無駄にカッコつけずに、プライドは自分に対してではなく、やっている仕事やものに対して持ちたいですね。
ー 今日はありがとうございました。

  • ICONIC CO., LTD.
  • 代表取締役社長
  • 安倉 宏明 (Hiroaki Yasukura)
【インタビュアーから見た印象】
とても熱い方でインタビュー記事には書ききれないほどの、生きる上で参考にしたい思想や理念を共有してくださった。
会社のミッション「こえるをうみだす」の裏に隠れた安倉さんの価値観を聞いたときに、人として大切なものを思い出させてくれるような感覚に陥り、今回のインタビューで一番印象的なポイントであった。人間の根源的な欲求を企業のミッションに掲げる安倉さん、ベトナムという海外の地で常に前進し続けられるそのエネルギーは、企業ミッションと安倉さんの生きる上での理念がシナジーしているからかもしれない。