どんな生き方にも価値がある、インタビューメディアanother life.が創ろうとしている社会とは
株式会社ドットライフ
「やりたいことをやる人生を、あたりまえに」
をミッションに
「やりたいことが見つからない」
「やりたいことを諦めた」
そんな悩みやモヤモヤを感じる人が、新しく「もう一つの人生」を一歩踏み出すキッカケとなるサービスを創る会社
代表取締役CEOの新條 隼人さんに話を伺った。
ー 御社の事業内容について教えてください。
2つやっていて、一つがanother life.というメディアで、「一日だけ誰かの人生を。」というコンセプトで、色んな人の人生のストーリーを読むことができるテキストのインタビューメディアです。
ある人の人生を幼い頃から現在まで、4~5,000字ぐらいのインタビューで読むことができ、農家やタクシードライバー、政治家など、様々な方を掲載しており、どんな生き方にも価値があるということをテーマに運営しています。
ー 現在掲載数が800人を超えているようですが、どのようにして増えていったのですか?
最初は知り合い経由で取材をお願いしてきたのですが、掲載させていただいた方がご自身の記事に大変満足していただいたことをきっかけに、紹介が生まれ数珠つなぎで増えていった経緯があります。
そして、読者の方からの問い合わせなども入るようになってきました。
ー 立ち上げ当初は大変な上に、メディアとしてどう市場からの反応があるかもわからなかったのではないですか?
another life.は、「一日だけ誰かの人生を。」というコンセプトにもあるように、知らない人の自伝が掲載されているので、果たしてそれが興味を持たれるものなのかどうかが正直ふたを開けてみるまでわからないというのはありました。
ただ、掲載者が誰かはさておき、その人の経験とか悩みとかその時にとった行動が確実に誰かにとって価値がある情報だろうとは思っていたので、それが有名人でなかったときにインタビューメディアとして成り立つのかどうかというところは検証の一つで、やってみなければわからなかったことです。
ー another life.を通して、どういうことを実現したいとお考えですか?
一番大きいミッションとしては、「やりたいことをやる人生を、あたりまえに」というミッションを掲げています。
これは、おしなべて言うと、誰もが自分らしく生きるというのが近いのですが、そう考える根底には、どんな生き方にも価値があるという価値観があり、そういう価値を受け入れる土壌を作りたいし、自分が大切にしているものが何かっていうのを振り返る機会をつくっていきたいと思っています。
ー 自分が取材を受けることで自分の価値を知ることがありますよね。another life.を通して人と人がつながったことはあるのですか?
印象的なので言うと、愛知でコーヒー豆の販売店を営んでいる方の記事が出たときに、沖縄の方が興味をもって、直接手紙書いて会いに行き、すごく話に共感したということで一緒に働くことになったというエピソードがあります。
ー 新しいサービスも始めるようですが、それについて聞かせてください。
大切な人の人生を一冊の本に残すというコンセプトで、インタビュー自体を体験型のギフトとしてお送りするサービスをはじめています。

最初は読者の方向けにいろんな人生の追体験ができたら、自分の生き方を考えるのにプラスになるんじゃなかということでメディアを始めましたが、
インタビューを受けた人の満足度がかなり高く、人生を振り返って形に残すことにはすごく意味があるなと感じました。

そして、これをもっと多くの人に提供したいと思い、体験型ギフトを始めました。
例えば、親御さんの定年退職のときに、最終出社を向かえるお父さんにインタビュアーがお伺いし、お父さんのこれまでの歩みをお聞きして一冊の本にします。そして、それを息子さんに渡して、後日息子さんからお父さんに渡すという、体験型のギフトサービスです。

当初は定年退職とか母の日とかに限られたギフトサービスを想定していましたが、他にもいろいろと引き合いが出てきました。
例えば、結婚式で新郎新婦が自分のストーリーを一冊の本に残して親御さんに感謝の意味を込めて送ったり、他には、介護施設で利用者の方を従業員がもっと深く理解して対応したいということで当サービスを使うなど、想定していなかったシーンでご利用されています。
補足情報
利用の流れは以下の通りだ。
1)WEBサイトより申込み
2)支払い
3)インタビュー日調整
4)インタビューの実施
5)原稿確認
6)本の完成
記事のボリュームに応じて複数のプランがあり、カジュアルプラン、スタンダードプラン、プレミアムプランから選べる。
ー 今後の展望について教えて下さい。
人生を歩んでいく中で、結婚式でもそうですし、子供が生まれたときでもそうですし、母の日とか定年退職とか、定期的に自分の物語を形にして残す、それが文化として根付いていくようなことを目指して今後も展開をしていきます。
ー 新條さんは起業される前は何をされていたのですか?
起業前はインターネットの決済などをやっているIT系ベンチャーで1年半働いていました。
社会人2年目で会社立ち上げて独立といった流れです。
ー このメディアの構想ができたから、退職されたのですか?
実はもともと別の事業をやろうと準備を進めていたのですが、自分がやろうとしていることは本当に幸せにしたい人に届くんだろうかと疑問を抱くようになり、当初考えていたことは全て白紙にしました。
今の事業は会社を辞める直前から構想が固まり始めた感じですね。
ー モチベーションが高く維持できないと起業もできないのではと思いますが、どういうモチベーションの高め方をしていたのですか?
まず、自分たちの周りで生き方について悩む人が増えてきて、自分の話をあまりしない人が増えたなと思うことがありました。
それは、自分の中で仕事に対するモヤモヤや、早く結婚して実家に帰りたいなど、悩んでいるからこそ、自分の話もあまりしなくなったのではないかという感覚があって、今はまだ20代半ばで、一緒にお酒飲んで発散できても、10年先とか20年先とかになったときにそんなモヤモヤを引きずったままで、今一緒にいる人たちと同じ距離感とか温度感でいられなくなってしまうのではないかという危機感を感じていました。

そういう自分ごとに課題を感じていたのがモチベーションの源泉ですね。それから、顔が見える人のために何かを作りたいというのもかなりモチベーションになっています。
ー 「あの人のために」というように、やることの先に相手の顔が見えると全然モチベーションが違いますよね。 私の場合、5~10年後にこういう人と人間関係を築いていたいと明確に思うことで、“自分はこうしなくてはいけないんだ”と大きなモチベーションになります。
こういうメディアとかも、最初は自分が立ち上げても、大義や理念やミッションを多くの方と共有する中で、周りからの支援が増え、自分だけの話ではなくなっていきます。
そうするとセルフモチベーションとかだけではなく、周りの期待も含めてやる理由になっていきます。
ー とはいえ、やる気とは裏腹に一歩目を踏み出せないことも人間あると思いますが、そういうご経験はありますか?
大学の頃から今みたいなビジョンで事業をやろうというのはあったのですが、まずは就職しました。
その理由はすごくシンプルで、自信と覚悟がなかったからです。
自分の成功イメージと今の自分の間にあるギャップを埋めるために就職しようと思ったんですよ。

自分の自信や覚悟がトリガーになって行動できたりするので、一歩目はまず情報収集とか簡単にできることからでも始めて、それをすることで次の一歩が楽になってきたりすると思います。
ー ずっと大きなことを見るよりは、小さいことを積み重ねていくイメージは大切だと思います。
何やるかにもよりますし、大きなプランをつくるのはもちろん大事ですが、一歩目の行動を起こしたときに、常況は一歩目を起こす前と当然変わっているので、とにかく実行に移して、その結果自分が見たものの中から最適なものを選択する方が行きたいところに辿りやすいんじゃないかなと思います。

それこそ起業でいうと、「何年後で独立します、その間にこれを準備します」という方は、そのステージで止まってしまうことが多い気がします。
ー まずは準備のために、と言ってそういう(実質何もやっていない)準備期間を設けている人も多いですよね。リスクを考えすぎというか。
もちろん、何かをやることで再起不能になるとかであれば慎重になった方がいいですが。
実際それこそ社会人になってから独立した理由の一つでもありますが、新卒1年目で社会で十分通用する自信ができたんですよ。
なので仮に今自分が事業で失敗してしまって職を失ってしまったときであっても必ず自分はどこかで雇われることができると思っていますし、
そこで結果を出すことも自信はあります。
あとは結婚もしていませんし、子供もいませんので、失うものの数が私の場合は著しく少ないのです。
そういう意味で起業するリスクというのが大きはなかったんですよね。
ー 今日はありがとうございました。

  • 株式会社ドットライフ
  • 代表取締役CEO
  • 新條 隼人 (Hayato Shinjyo)
【インタビュアーから見た印象】
another life.というちょうど当メディアとも少しコンセプトが近いメディアを運営されている新條さん。
生き方という点においては、大変奥深く考えてきた経緯があるのが言葉の端々から伝わってくる。自身が定めた会社のミッション「やりたいことをやる人生を、あたりまえに」はそんな新條さんの心の底からの願いが込められているのだろう。
初対面の印象としては、いい意味で若さを感じさせず、余裕とゆとりのあるコミュニケーション空間を作ってもらうことができ、私もすっかりその空間で落ち着いてしまった。
対面して少し話せば感じると思うが、人として想いがあり信頼できる方であろう。